もしドラ感想文

 Twitterを辞めてから読み物に飢えていたので買ってきた。古本屋で98円だったから買ってきたという不純な動機だったけど面白かったので感想書きます。

 

あらすじとしては「病気で入院した友だちの代わりに高校野球部のマネージャーとなり『せっかくだから、この弱小野球部を甲子園に連れていく!』と決意した川島みなみという主人公がドラッガーの『マネジメント』という本を基にその野球部を甲子園に連れて行くために改革していく」というものだ。

 この本はドラッガーの『マネジメント』を引用しながら話が進んでいくのだが、主人公視点で噛み砕かれながら解説されており、その言葉をもし野球部に落とし込んだ場合の具体例も書かれているので、彼の本または経営に興味はあるが難しくて読めないといった人への入門書のようなものとしてはとても最適だと思う。

 

 また、高校野球の青春ストーリーとしてもすごく読みやすく、ドラッガーの経営論と主人公の行動力によって、私たちも共感するような身近な悩みを抱えた野球部員たちがそれを解消していく様子に感情移入がし易くて一緒に泣いたり喜んだりと、置いてけぼりにされず読んでいて楽しい内容だった。

 

 そんな中で僕が一番印象に残ったシーンは甲子園の予選決勝戦だ。

 その直前の文まではドラッガーの本の内容を紹介するところが多くて、話が進むに伴いそれを吸収した野球部員たちが順調に成長していくサクセスストーリーだったが、同じマネージャーだった主人公の友だちの死や主人公が野球を嫌いだった事実や、その過去の話など今まで読み手の視点になっていた主人公から私たちが切り離されるような展開であり、しっかり安定して成長していた序盤中盤とは打って変わってスリリングで興奮するような内容だった。

 

 この本は現代の青春ストーリーテイストを織り交ぜながらドラッガーの経営論を読ませたくなるような内容にしてあり、僕もまんまと読みたくなってしまった。

 

皆さんも是非ドラッガーのマネジメントを読んでみるのはいかがだろうか。

 もし読みにくい人は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」から入ることをオススメする。